
Interview
研究成果を社会へ還元
未来を創る技術者として
環境課題に挑戦中
M.T
技術本部 技術部
2022年入社
研究と現場の橋渡し役として活躍する技術者。微生物を活用したプラスチック分解や食品リサイクル工場の残渣活用など、社会課題の解決に向けた研究開発を推進。農家との連携や土壌分析にも携わり、技術の社会実装に取り組んでいる。
お仕事内容を教えてください。
実験室だけじゃない。現場とつながる技術職の魅力
私は技術部で3人のチームに所属し、チームリーダーとして二つの研究開発テーマに取り組んでいます。一つは微生物を利用したプラスチック分解技術の研究開発。特定の微生物を使い、廃プラスチックを分解してリサイクル可能な形に変える方法を研究しています。もう一つは食品リサイクル工場から排出される残渣(ざんさ)の有効活用です。廃棄食品をメタン発酵させた後に残る「残渣」を肥料として活用するため、提携する農家と協力しながら栽培試験を行い、最適な活用方法を模索しています。
私の1日の業務は、出社後の部内ミーティングから始まります。その後、試験方法の立案や実施を進め、共同研究先の企業と定期的に打ち合わせも行います。研究では、滅菌機やクリーンベンチを備えたレンタル施設にこもり、実験を行うこともあります。一方で、補助金を活用するプロジェクトでは、申請書や報告書の作成支援も担当しています。
また、夏から秋にかけては、月に1回ほど仙台の農地を訪れ、土壌分析を行ったり、収穫作業を手伝ったりしています。自分が関わった作物を実際に収穫し、そのお米をおすそ分けしていただいたときは、より一層の喜びを感じました。自ら収穫したお米の味は格別で、研究の成果がこうした形で実感できるのも、この仕事の魅力のひとつです。
研究開発というと「研究室で黙々と実験をする」イメージがあるかもしれませんが、実際にはそれだけではありません。社内の開発会議では自身の研究テーマを発表し、上層部からフィードバックを受ける機会があります。また、最新の知見を得るためにセミナーへ参加し、情報収集を行うことも重要です。さらに、農家や食品リサイクル工場と連携しながら、現場で実際に役立つ技術を開発することも求められます。研究と実践の両面を経験しながら、社会に貢献できる技術を生み出していく仕事です。

仕事のやりがいを感じるのはどんな時ですか?
研究が現場で活きる瞬間。
社会に貢献できる実感
私の研究が社会に役立ち、誰かの助けになったと実感できるとき、最もやりがいを感じます。例えば、食品リサイクル工場から排出される「残渣」を肥料として有効活用する研究では、農家の方からは「コストを抑えられて助かる」と言ってもらえた時に、やりがいを感じました。
また、土壌分析を通じて、ある農家の方からは「土壌を分析してもらえて、自分の土地の状態を詳しく知れてありがたい」と言われました。実際に分析すると、土壌のpHが低く、必要な養分が不足していることが分かることもあります。こうしたデータを提供することで、「土壌改良を検討するきっかけになった」との声もあり、研究の意義を改めて実感しました。
さらに、この取り組みは農家だけでなく、J&T環境にとっても大きなメリットがあります。これまで「残渣」は焼却や排水処理されており、その処理にはコストがかかっていました。しかし、肥料として有効活用できるようになれば、これらの処理コストを削減できるため、会社の収益改善に役立ちます。つまり、研究の成果が農家の支援につながるだけでなく、自社の経営にも貢献しているという点が、大きなやりがいにつながっています。
現在、食品リサイクル工場から排出される汚泥の約30%を肥料として活用していますが、私たちの目標は100%の有効利用です。農家の協力を得ながら、より使いやすい肥料の開発や普及に努め、最終的には廃棄物ゼロのリサイクルシステムを実現したいと考えています。目標に向かって挑戦し続けることができるのも、この仕事の大きな魅力です。

ワークライフバランスを大切にして、女性も活躍できる職場ですか?
ライフイベントを経ても、
キャリアを築ける環境
当社では、女性社員も多く活躍しており、育休・産休の取得実績も豊富です。私が1年目のときに指導してくれた先輩も現在育休中ですが、復職後もスムーズに仕事を続けられるよう、サポート体制が整っています。時短勤務を利用しながら子育てと両立している社員もおり、ライフイベントを経てもキャリアを築ける環境があります。
また、フレックスタイム制度やテレワークが導入されており、プライベートの予定に合わせて柔軟に働くことができます。例えば、私は歯の矯正のために大学病院へ通っていますが、診察の最終受付が17時のため、その日はフレックス退社を活用し、16時に退社しています。また、趣味の時間も大切にできる環境です。好きなアーティストの東京公演なら、お台場であれば定時退社で間に合いますし、名古屋公演もフレックス退社で新幹線に飛び乗れば間に合いそうなので、次はそうしてみようかなと思っています。
職場の雰囲気としても、上司が定時で退社することが多く、長時間労働が当たり前という風潮がないため、無理なく働けます。そうしたことからも、仕事と家庭を両立しながらキャリアを築きたい方にとって、働きやすい環境が整っていると実感しています。

目標とする人はいますか?
ご自身に与えた影響を教えてください。
知識と的確な対応力を持つ、
尊敬する先輩
1年目に指導してくださった先輩を尊敬しています。その先輩は肥料に関する知識が豊富で、他の工場からの問い合わせにも的確に回答できるため、周囲から頼られる存在です。私も「あんなふうになりたい」と思いながら仕事をしています。
また、先輩が作るパワーポイントの資料はとても分かりやすく、自分の考えを相手に正確に伝える力があると感じます。資料がしっかりしていると、業務の進行もスムーズになるので、私もそのスキルを身につけたいと思っています。
今のチームには後輩が1人います。私自身、これまでの3年間で多くのことを学んできましたが、その中には自然に身についたこともあれば、先輩たちに教えてもらったことも多くあります。今度は私が後輩をしっかりサポートし、学びやすい環境を作ってあげなければと、リーダーとしての自覚も芽生えてきました。
